サボテンレザーとは?|サステナブルな、植物由来のレザー
近年、SNSやテレビで目にするようになった、「サボテンレザー」。
なんとなく環境に優しい、新しい素材というイメージはあるけれど、実際のところはよくわからない。
今回はそんな方に向けて、サボテンレザーについてわかりやすくご紹介させて頂きます!
サボテンレザーの専門ブランドとして2年以上活動している私たちが、正確で、新しい情報をお届けします。
【この記事を読むとわかること】
- サボテンレザーって、何からできているの?
- なぜサボテンなの?
- サボテンレザーのメリットとデメリット?
サボテンレザーって、何からできているの?
サボテンレザーとは、「サボテンの繊維」を原料に含むレザーのことを言います。
一般的には、メキシコの会社「ADRIANO DI MARTI」が販売する「Desserto」という名前のレザーが、サボテンレザーとして流通しています。
サボテンと植物由来の樹脂から作られた少なくとも65%以上が植物由来の素材で、ヴィーガンレザーやサステナブルレザーと呼ばれることもあります。
*2022年11月現在の成分組成。素材メーカーの都合により、今後変動する場合があります。
作り方は、まず雨水のみで育ったサボテンの成熟した葉を収穫し、細かく粉砕して太陽光で乾燥することで粉末状にします。
これを、植物由来の樹脂と混ぜ合わせて成型することで完成します。
サボテンレザーの特徴って何?
特徴は、大きく3つあります。
- 65%以上が植物由来のため、二酸化炭素の排出が少なく自然環境に優しい
- 撥水性があるため耐久性が高く、お手入れが簡単
- 見た目や手触りが本革に近く、素材としてデザイン性に優れている
それぞれ、詳細に説明していきます。
1. 自然環境に優しい
そもそも、既存のレザー製品は全て、動物か石油を原料に作られています。
それらのものと比較して、サボテンレザーは半分以上が植物を原料に作られているため、環境負荷がとても小さくなります。
では、どうして環境負荷が小さいのか。
結論から言うと、サボテンレザーは革を作る工程で、水の大量使用や汚染が少なく、また化石燃料の使用も極限まで減らしているためです。
本革を生産するプロセスでは、動物だとそのままだと腐ってしまう生き物の「皮」を、腐らない「革」に加工する過程(専門用語で、「なめし工程」と言います)で、大量の水を使うため、水質汚染とその処理に伴うエネルギーの利用が発生します。
また、合皮など石油を原料とする場合は、地中に眠る化石燃料を原料に素材を作るため、大気中に新たな二酸化炭素を放出してしまいます。
さらに重要な点として、「Desserto」は植物由来の割合を、将来的に90%以上とすることを明確に表明しています。
植物由来のレザーはまだまだ新しい素材のため、今後どれだけ伸びしろがあるのか、というのは重要な点になりますね。
2. 耐久性が高く、お手入れが簡単
撥水性があり、傷がつきにくいため、それほどお手入れをしなくても、製品を綺麗なまま使い続けることができます。
素材メーカーの公表値では、適切な環境で使用した場合、10年の耐久性があるとされており、従来の人工皮革のようにすぐに素材が傷んでしまうこともありません。
実際の採用例として、サボテンレザーを使用した製品には、ソファなどの家具や高級車メーカーのコンセプトカーの座面シートにも採用されています。
また、ユニークな例として、ボクシンググローブに採用された事例もあります。*
*同じサボテンレザーではありますが、ファッション向けのサボテンレザーとは規格が異なります。
また、汚れが付いた場合には、中性洗剤を使ってお手入れをすることができます。
3. 素材としてデザイン性に優れている
その証拠として、サボテンレザーで有名な素材「Desserto」はファッション業界の中でも世界的なアワードをいくつも受賞しています。
実際、私たちの製品を国内大手百貨店の革製品担当一筋のベテランバイヤーさんや、お付き合いのある工房の革職人さんにお見せしたところ、「これは通用する」という高い評価をよく頂きます。
まとめ
以上、まとめるとこのような内容になります。
- サボテンレザーの作り方
- サボテン繊維と、主に植物由来の樹脂から作られている
- サボテンは成熟した葉が粉末状に加工され、レザーの素材となる
- サボテンレザーの特徴
- 原料の65%以上が植物由来のため自然環境に優しい
- 耐久性が高くてお手入れが簡単
- 素材自体の優れたデザイン性、高級感
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