【本当にサステナブル?】サボテンレザーの耐久性を徹底解説【加水分解】
こんにちは!
CACTUS TOKYO 代表の熊谷です。
今回は、サボテンレザーの耐久性について、徹底的に解説していこうと思います!
なお、私自身がサボテンレザーのお財布の愛用者で、間違いなく「日本で一番長く製品を使っている」ユーザーです。
この記事のテーマ
- サボテンレザーは加水分解するんじゃないの?
- サステナブルかどうかの判断には、「加水分解するまでの期間」がポイント
- 結局、サボテンレザーってサステナブルなの?
サボテンレザーは、サボテン繊維と植物由来の樹脂から作られた植物由来のレザー素材です。
本革と比べると、撥水性があり水に強いこと、表面が傷に強く爪痕や擦り傷が付きにくいことが特徴で、製品を綺麗な見た目のまま使いたいという方にはおすすめの素材です。
一方で、製造工程が合成皮革や人工皮革と似ているため、「時間が経つと、加水分解してボロボロになったり、ベタついたりするんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
この記事はそんな方のために、サボテンレザーの耐久性について、解説していきます。
なお、サボテンレザーの製造方法や特徴について知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考としてご覧ください。
▮サボテンレザーは加水分解するんじゃないの?
さっそく結論ですが、加水分解はします。
サボテンレザーは樹脂が含まれる素材ですので、従来の合成皮革や人工皮革と同様に、使用していく中で徐々に劣化していきます。
理由としては、そもそも樹脂というものは水(H2O)に反応して分解してしまう原料から作られていることから、どうしても化学的に避けられないのです。
またサボテンレザーは加水分解とは別に、「生分解」も起こします。
なぜなら、素材に自然由来のサボテン繊維を含んでいるためです。
木々の葉が枯れて土に埋もれると、微生物に分解されるように、サボテン繊維も土に還ります。
まとめると、サボテンレザーは加水分解もしますし、生分解もします。
▮サステナブルかどうかの判断には、「加水分解するまでの期間」がポイント
では、加水分解してしまうサボテンレザーはサステナブルではないのか?
それを判断するには、「加水分解するまでにどのぐらいの期間を要するか」がポイントになります。
3年程度しか使わない製品であれば、4-5年後に加水分解されても問題はありませんよね。
逆に、10年程度使う製品であれば、購入してから10年間で加水分解が起きなければ、問題がないことになります。
素材の耐久性は、価格と概ね比例しますので、加水分解されるまでの期間が長ければ単純に良いというわけでもありません。
製品の用途に対して、長すぎる耐久性があるものは、余分に高い価格を支払うことになってしまいます。
では、サボテンレザーはどの程度の期間、加水分解せずに使うことができるのか。
結論としては、「10年間」です。*
*出典:Desserto公式HP
一方で、財布の寿命は一般的には「3年程度」と言われています。
それは、従来の合成皮革などの素材自体が3年程度しか持たないということや、3年もの間使用していると、使用状況によっては単純な摩擦等の物理的ダメージによりボロボロになってしまうためです。
本革は素材として10年持つと言われておりますが、傷が付きやすく水にも弱い繊細な素材であるため、日頃からお手入れをして丁寧に使用していることが前提になります。
▮結局、サボテンレザーってサステナブルなの?
そもそも、サボテンレザーは製品ライフサイクル全体における環境負荷が本革や合皮と比べて低いことが挙げられます。
万が一、本革や合皮よりも多少短い期間で廃棄することになってしまった場合でも、製品の製造から廃棄までのトータルでの環境負荷を考慮すると、サボテンレザーはサステナブルであると言えます。
(もちろん、極端に短い期間で捨てられてしまう場合は除きますが...)
各素材ごとの環境負荷や特徴を比較した記事もありますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
サボテンレザーは、
- 水分や擦り傷に強く、汚れにくい
- 10年程度経過すると加水分解する
- 10年以内に買い替える製品については、サステナブルと言える
(ただし極端に短い使用期間のものを除く) - 10年よりも長く使う製品については、比較対象の製品が10年を超えてどれぐらい長く使われるかによって変わる
いかがでしたでしょうか?
サボテンレザーは耐久性が高く、とても将来性のある素材ということで世界的に権威ある表彰を受けていることでも有名です。
また、製品を長く使うという点では「何からできているか」だけではなく、「どうやって作られているか」も大切になります。
CACTUS TOKYOでは、日本国内でも圧倒的な品質を誇る工房にて製品を製造し、10年もつ耐久性を実現しています。
そんな私たちの製品は、下記のオンラインストアからご覧いただくことができますので、是非のぞいてみてくださいね!